DUNE libartane

JIM MANGAN

BLAST

 

JIM MANGAN AND KEN BLOCK INTERVIEW

 

ユタ州南部に広がる大自然は色彩豊かな山々、劇的な形状の岩から成り立っている。まるで神が傑出したアーティストであることを証明するかのごとく、素晴らしいランドスケープだ。数年前からジム・マンガンはこれらの大自然へ探検を始め、それをもとにして展覧会や写真集を生み出してきた。Winter’sChildrenという作品は、マンガンの良き友であり写真家のピーター・サザーランドも被写体として参加した、マンガンのスノーボーダーとしてのバックグラウンドからインスピレーションを受け制作されたシリーズだ。Color’dとBeduは70年代のトリップ・アウトした映画を撮るアレハンドロ・ホドロフスキーやデニス・ホッパーの作品をも連想させるほど、より超現実的に出来上がっている。そしてBastard ChildとTime of Nothing、この二つの作品は、グランド・ソルト・レイクの上をヘリコプターで旋回し続け撮影された。絵画のようで、鮮明な色がさざ波のように押し寄せてくるこの作品によって、マンガンは真の抽象芸術へ入りこんだといえるあろう。

 

BLASTではパーク・シティ(ユタ州)で、近所に住んでいるケン・ブロックとのコラボレーションを試みた。ブロックは1994年に親友のデーモン・ウェイとDC Shoesを創設。その後ブロックは自分のDC shoesのシェアを売りラリーのみにフォーカスすることを発表。今では世界で認められているオフ・ロード・レーサーの一人だ(ブロックのドライビング・ビデオGymkhanaはYouTubeで4500万回視聴された記録を持っている)。熱心な自然主義者でもあるマンガンは、アメリカ人とそれぞれの環境との関係性に興味を持っていた。フリーダム、解放を意味すると共にチャレンジでもあるBLASTで、マンガンとブロックはオフロードのテスト用にリザーブされたエリアで撮影をした。ブロックが車を運転し大地を駆け巡る、それをヘリコプターで上空を旋回し撮影した結果、躍動感とインパクトに富んだ作品が生まれたのだ。

 

JIM MANGAN(以下JM):毎日忙しいスケジュールで動いていると聞いているけど、今回なぜ僕のBLASTPROJECTに参加してくれたの?

 

KEN BLOCK(以下KB):僕のバックグラウンドはスケートボードやスノーボード業界で、そこは競争だけじゃなく、厳しい指針のある世界だった。与えられたツールでどこまで最高に楽しめるかを模索する世界。今回はそのツールがレーシングカーだったことを幸運に思うよ。なぜ君と同行したかは、ただクールな経験が出来ると思ったからさ。同じ質問を君に返すけども、なにがBLASTのインスピレーションになったの?今までやってきたことが発展した結果?

 

JM:いままでの作品とはなにかしら繋がっている。強いて言えばBeduとTime of Nothingシリーズのコンビネーションかな。Beduでは大きな砂が爆破し、キャストは全員砂まみれになった。Time of Nothingはグレート・ソルト・レイクをセスナの上から撮ったアブストラクトなランドスケープのシリーズ。絵画的に別世界の様に写したかったんだ。この2つのプロジェクトとテーマを一緒にさせたときにBLASTのコンセプトを固めることができた。

 

KB:どうして僕をこのプロジェクトに選んだの?

 

JM:僕は自分がコネクトした人物や物を撮る。12年来の友人で、文句ない運転のスキル、オープンマインドな性格の持ち主、総合的に考えた時にこのプロジェクトの適任は君しかいなかったのさ。プロジェクトを作り上げるとき、繋がりの見える人とでなければ良い結果は生まれない。自分の殆どの作品はコンセプチュアルで、その一環でアイディアを撮影の対象となる人や一緒に創作できる可能性のある人にプレゼンするのは、広がりを生むから楽しいんだ。同時に、プロジェクトを一緒にやる人には僕のアイディアを自分のアイディアに創り変えてほしいと思ってる。最高のラリーカーのドライバーにアクセスできるチャンスはめったにない。レースのときは、何もかもがギリギリだよね。限られた時間の中では、計画性が最も重要になると思うよ。

 

KB:僕のドライビングを撮影している最中に君を驚かせた要素はあった?

 

JM:乾いた河川敷に隣接している一車線の砂利道で君の車はコントロールを失ったかのように走っていた。どんなにギリギリな状況に見えても君が完全なるコントロールの下、そう走っているのは承知だったけどね。そして居た誰もが一番驚いたのは、激しく急な斜面を車で登ったことかな。自分だったら怖くて到底無理な話だね。砂埃で見えない中、自分が何処へ向かっているのかわかっていたの?

 

KB:あはは、いい質問だね!ダート・バイクに乗って育ったから、埃の中でナビゲートする状況には慣れているんだ。ラリーでもいつも埃まみれの中で走ってるし、レースで走っている時はタイヤからの煙もある。そのような状況では、僕は見える地平線の一番遠い所に標点を決めてそれを基に走るんだ。大抵の場合はこれで大丈夫だ。大切な事は地形と自分の車が出来る性能を理解すること。カメラの前でどうしたら良く見えるか理解していることと似ているかもね。

All Photographs by Jim Mangan featuring Ken Block
TEXT BY KEN MILLER
TRANSLATED BY TOMOKO OKAMOTO

All Images courtesy by the Artist