DUNE libartane

NOWNESS

JEFFERSON HACK INTERVIEW

仕事の合間や週末の余まった時間に本屋に行き、何百とあるファッションカルチャー誌の表紙にあれこれと目を移していく。毎号読んでいたり、なんとなくタイトルが気に入って手に取ったり、少し立ち読みしてじっくり読みたくなったものを見つけたりして雑誌を買って帰る。家につけば自分の時間、落ち着いたひとときを使いページを捲る。今やそんなありふれていた時間は、ただの無駄だと思われてしまうかもしれない。大抵の人は本屋に足を運ぶことなく、コンピューターやスマートフォンによって何処でも簡単に、手のひらの中のほんの少しの時間でチェックを済ませてしまう。情報の発展は私たちに時差や国境を感じさせることなく、情報や製品を収集することを可能にしている。語るまでもないことだが、過去15年を考えただけでも本当に便利になったものだ。未だに進化の歩みはとどまるところを知らず、昨日より今日、今日より明日といったペースで新しい技術やコンテンツが生まれ続けている。ありがたいことだが、あまりの情報の多さに溺れてしまいそうになることもしばしばだ。

 

90年代初頭には、80年代の華やかさがまだほんの少し残っていた。豊満で完璧な容姿を持ち合わせたリンダ・エバンジェリスタ、シンディー・クロフォードたちスーパーモデルがメインストリームのファッション誌のカバーを飾っていたそのとき、その往年の流れに飽き飽きした時代の先駆者たちは、世界中でインディペンデントな雑誌を生み出そうと試み始めていた。1991年にジェファーソン・ハックとコーファウンダーでありフォトグラファーであるランキンは、DAZED AND CONFUSEDマガジンの前身となるポスターサイズのマガジンを大学時代に自主出版した。時を同じくして、PURPLE FASHION MAGAZINEの前身であるPURPLE PROSEがパリで、小誌の前身であるDUNEも東京で産声を上げたのであった。

 

「DAZED AND CONFUSEDは、雑誌を使いムーブメントを作ったのだ」

 

編集長のジェファーソン・ハックは当時を振り返ってそう語る。彼がロンドンで雑誌を始めた時代は、華美なスタイルに飽きた若者がグランジファッションに身を纏い、ヘロインシークがファッション界で賑わいを見せるといったように、ロンドンのシーンが退廃とした雰囲気を保ちながらも眩い輝きを見せていたタイミングだ。華奢な体つきのケイト・モスがファッション界を席巻した。ダミアン・ハーストがホルマリン漬けのサメをサーチギャラリーで発表して観衆の度肝を抜き、賛否両論の嵐が吹き荒れた。ビョークが圧倒的な存在感と才能の詰まった“デビュー”を発表、アイスランドの歌姫が誕生した。こうして90年代のロンドンは、数多の才能を持った役者達で溢れかえっていたのである。その溢れるエネルギーは、すぐさま雑誌と共鳴した。新しいカルチャーは雑誌というオリジナルのコンテンツを発信する情報源から始まり、そのステージに立つ役者たちは時代のアイコンとしての役目を担う。雑誌、そして今日においてその動向はインターネットの網の目に乗って世界各国に発信され、時代の代弁者は常に効果的にカルチャーを牽引していく。

 

2011年にジェファーソン・ハックがLVMHグループと手を組み着手したプロジェクトNOWNESSは9つのカテゴリーを持ち、その中からシンプルこの上ないサーフェイスで一日1つのビデオ、もしくは写真をアップするという最先端のウェブサイトである。その内容は多岐に渡り、全てのジャンルを遍く網羅したこのウェブサイトは、グローバルなライフスタイルを私たちに提示している。参加している顔ぶれも豪華そのものだ。デイヴィット・リンチがドンペリニョンのラベルをデザインするのに際して制作した動画、スパイク・ジョーンズが監督したオランピア・ル・タンのアニメーション、マシュー・ドナルドソンがモデルに福島リラ、ヘアメイクに加茂克也を起用した360°のポートレイトなど、他では決して見ることの出来ないトピックに溢れている。その他にもケイト・モス、エディ・スリマン、ウェス・アンダーソン、ソフィア・コッポラ、オリビエ・ザーム、レディ・ガガ、荒木経惟…その名前を挙げるのには枚挙に暇がない。ウェブサイトの中には常に、世界中の煌めく才能が一堂に会している。それらの個性をまとめるという作業が如何に容易でないか、想像するのは難しくない。やってのけられるかどうかは、編集する者の手腕にかかっている。そういった意味で、自らを“インフォメーションジャンキー”と呼ぶディレクターのジェファーソンは、まさに適任だったのである。カルチャー、アート、ファッション、映画など人々の心を動かす事柄に広く精通し、雑誌作りをベースとした20年で培われた編集者としてのキャリアが、新たなデジタル革命を起こしているのだ。他に類をみることのないNOWNESSは、情報過多に陥っている日常生活から離れて私たちにゆとりや余裕をもたらすべく、シンプルなラグジュアリーを発信してくれる。

はじめに、DAZED AND CONFUSEDを始めた経緯を教えてください。

Jefferson Hack(以下J):DAZED AND CONFUSEDはロンドンの新しい世代に着目したメディアで、私とフォトグラファーのRankinの二人で始めました。90年代の初めにFanZineで白黒のポスター雑誌のようなフォーマットで始めて、自費出版していました。わりと始めてすぐにケイティ・グランドに出会い、彼女に最初のファッションエディターになってもらったんです。90年代のロンドンは音楽、ファッション、アートの3つのジャンルで大爆発が起きていました。これらの3つが一緒になったときに、もの凄いパワーが生まれていた。そのお陰で、自分たちが当時のロンドンの若い子たちの声となっていたのです。雑誌を中心としてまわりのクルーもその時代の若い世代のUKSTYLEを象徴する存在へと成長していき、THE FACEやi-Dなどの雑誌を超越していきました。DAZED AND CONFUSEDには、最初から大事にしている哲学があります。それは、“雑誌のストーリーは、アーティストとカルチャーの周りで起きていることをただレポートするだけではなく、必ずキュレーションという形をとって編集してこそ”ということです。雑誌という場所を使って、それを表現のプラットフォームとする。その中で、ただの雑誌という枠を超えるということを第一に考えていました。そのために雑誌自体をムーブメントとして捉えようとして、ソーシャルイベントやパーティーなどに足を運んで、雑誌以外でも色々なことを起こすことに挑戦し続けてきました。それが自己を表現するうえで、根本を担うムーブメントだったのです。

20年以上の雑誌作りにおいて“ムーブメント”という言葉が出てきましたが、アーティストの中で影響を受けた、あるいは与え合ったアーティストはいますか?

J:BJORKは、DAZED AND CONFUSEDという雑誌において中心となる女性の一人だと思います。彼女は最も一貫性のある表現をするアーティストの一人です。彼女は私たちと同じ哲学をもっていて、音楽・ファッション・アートの3つの融合を体現しています。全てのアルバム・カバーで彼女は必ずユニークな試みをしていますしね。彼女がデビューしてからずっとDAZED AND CONFUSEDでもアルバムを出す度に彼女が表紙を飾っています。そうゆう意味でも、彼女はDAZED AND CONFUSEDを代表する女性だと思います。あとは、Alexander McQueenですね。彼は、DAZED AND CONFUSEDに影響を与えたとても大事なアーティストの一人です。ファッションと写真に関しては特にそうですね。彼がディレクションしたDAZEDANDCONFUSEDのカバーで『Fashion-able』という号があったのですが、その時彼はAimee Mullinsという膝から下の足がないモデルを起用して、彼女に足の無い走者のための義足をさせて表紙を飾ったのです。その一冊の表紙は、DAZED AND CONFUSEDがイギリスでNO.3の雑誌からNO.1になるきっかけとなりました。全ての新聞のフロントページをその表紙が飾ったのです。みんなが、その号を求めに本屋へ駆け込みました。AlexanderMcQueenは私個人にとっても重要な人物だし、雑誌にとっても彼は生きている間ずっとDAZED AND CONFUSEDのFashion Editor at Largeを務めた重要な人物でした。

 

そのカバーはとてもセンセーショナルだったのを覚えています。雑誌作りにおいて、あなたが最も大事にしていることは何ですか?

J:それは、一般的な質問です。雑誌を作る最も重要な事、うーんどうやって答えたらいいかわからないな。自分の観客を理解すること、人の真似をしないこと、あとは誰にも出来ないことをやりとげること、といったところです。“BEORIGINAL.DON’T COPY”。そう、まるでCharlie Brown(林文浩、前DUNE/LibertinDUNE編集長)のようにね。

そうですね。彼にとってそれが最も大事なことでした。東京をオリジナルな視点で捉えるということが雑誌に反映されていました。それを私たちも雑誌作りにおいて受け継いでいます。何かの記事で読んだのですが、インディペンデント・マガジンとして宣言するとおっしゃっていました。

J:そうです。雑誌とは自分の中にあるクリエイティブな部分を表現する場であり、その時にインディペンデントであるという精神性は極めて重要な位置づけになります。他のインディペンデントな精神をもっている人たちやカルチャーにとっての磁石のような存在でありたいと思っています。アート、音楽、デザイン、映画、活動家などの考えやストーリーを伝えていく役目を担うというのは私たちにとってとても重要です。ですから、自分たちがインディペンデントであるということが自分の雑誌作りの根底にあるのです。

NOWNESSについての質問をしたいと思います。NOWNESSのディレクターに就任した経緯をお聞かせ頂けますか?

J:4年前にLVMHが僕にディレクターへ就任しないか?と声をかけてきてくれたのです。その時、彼らはオンラインメディアを作るためのアイデンティティーを探していました。それに対して、私は自分の持っているヴィジョンをプレゼンしました。それを彼らが気に入ってくれて、その任を受けることになったのです。LVMHに選んでもらえて、私は本当にラッキーだと思っています。

NOWNESSのコンセプトについて話して頂けますか?

J:コンセプトはとってもシンプルです。私たちが挑戦していることは、最もエレガントに、極めてシンプルに、一日1つストーリーを発信し続けるというものです。世界にはメディアが沢山溢れていますよね。一日1つストーリーを出していくということはどうゆうことかというと、キュレーションするということになります。

なるほど。そのコンセプトに基づいてNOWNESSを制作していく上で、雑誌作りと区別している点というのは何ですか?加えて、雑誌とオンラインメディアの違いはなんだと思いますか?

J:印刷物とデジタルの違い?そうですね、大きな違いは人々が情報を違う方法で消費して行くことです。これは大きな質問だからDAZEDグループの雑誌とNOWNESSの対比という形で答えます。私にとってNOWNESSの最も面白い点は、殆どが動画で構成されている点です。出来たら良いなと思うけど、雑誌に動画は載せられないですからね。雑誌を開いたらそこで動画が見れる、そんな雑誌が作れたら面白いと思います。

 

近い将来できるかもしれませんね。

J:そんなのができたら、本当にかっこいいよね。普通の表紙のKate Mossじゃなくて、踊っているKateが雑誌の表紙で見れたらもっといいですよね。

本当に、そんなのものができたら素晴らしいですね。

J:今はまだ出来ないのでウェブでコンテンツをだしていくのだけれど、NOWNESSでは毎月より多くの映像を出すようになってきています。そのうち、映像だけに特化する形になっていくのも良いと思っています。これが、基本的には雑誌とデジタルメディアの一番大きな違いだと思います。NOWNESSみたいなデジタルメディアに対して、比較対象となる紙のメディアは存在しないでしょう。DAZEDは雑誌があってオンラインメディアもあるのだけれど、NOWNESSのプリントは今まで一度も存在していないし、最初からデジタルパブリッシャーでした。だからNOWNESSはデジタルベイビーと呼ばれて誕生したのです。4年前に生まれた時に、私たちはデジタルスタートアップと呼んでいたのです。

今言ったように、世界各国から膨大な量の作品をプロデュースしてリリースして行くということは、高等なプロダクションレベルを必要としませんか?どのようにしてプロデュースしているのですか?

J:そうですね、でも一日1つのリリースだけですからね。自分たちで出来る最大限のプロダクションレベルを保ちながらリリースしています。

一日1つのコンテンツだとしても、毎日本当に素晴らしい写真やビデオのコンテンツばかりでどうやってそれをプロデュースしているのかが気になります。

J:もちろん、自分たちでできる最高級なプロダクションによる最高の作品をプロデュース、と常に考えています。なぜなら、一流の素材や一流の写真家、一流の映像作家などのアーティストたちが集まって、彼らが全力を出してアイデアを体現できる高級なウェブサイトだからです。私たちには、協力してくれるアーティストや制作会社が世界中に沢山います。まるで蜘蛛の巣のように、世界を股にかけた素晴らしいディレクター陣とそのディレクターが一緒に働いているプロダクションのチームが、NOWNESSが素晴らしいメディアとしての位置づけや地位を保っていられるように、アイデアを駆使して一生懸命働いてくれています。私たちは沢山の愛を受けて成り立っているのです。それはつまり皆がNOWNESSを愛してくれているし、NOWNESSが持つ純粋なヴィジョンに敬意を表してくれているということです。既にアップされている映像よりも、より良い映像をアップしようと皆が考えてくれているのです。私たちにはこうした凄く強いサポーターのネットワークがあるのです。

それは、あなたが雑誌を作る上で培って来た20年の歴史の賜物なのですね。

J:でも、私だけでは出来ないことです。ディレクターは重要だし、その作品に関係している全ての人が重要です。これはムーブメントであって、私だけのことではないのです。DAZEDもムーブメントを作ったけれど、NOWNESSはそれより更に新たなムーブメントなのです。

後で聞こうかと思っていたのですが、70年代にNYでStudio54があったり、ロンドンではYBA(Young British Artists)の動きがあったりしましたね、90年代には特にそれが顕著だったと思いますけど、これから先に新しいムーブメントが起きると思いますか?

J:今はまだ名前が無いから誰かがつけるべきだよ。私としては“NEW VIDEO REVOLUTION(新・映像革命)”がしっくりくると思いますね。NOWNESSのためやNOWNESSに限らず自身で素晴らしい作品を作っているディレクターの映像作品は、コミュニケーションにおいての革命だし、アートにおいても革命だと思います。特に、ネット上のコミュニケーションに関して、という意味でNEW NETWORK USEは新しいネットの使い方だと思います。

USE?YOUTHではどうでしょう?

J:YOUTH、それも当てはまりますね。年取った人は革命なんてしないよね、革命というのは若い人たちが起こすものですからね。K:どのように、オーディエンスの意見や視点を取り入れていますか?J:意見、フィードバック、分析したレポートなどを毎日見ています。人々が、何を求めているか、何をシェアしてツイートしたかなども全部見ています。Facebookで何がシェアされたか、ローカルなメディアで何が捉えられたか、日本、南アメリカ、アフリカなど展開している全ての国でどう反応されたか、という具合にね。そこで得られたフィードバックを反映するようにしています。私たちはオーディエンスを理解するのにすごくこだわっている、インフォメーションジャンキーだと思います。

雑誌をやっているときよりも高度な情報処理能力が必要ですよね?

J:雑誌においては、読者の情報を得ることはとても難しい。人が何を気に入っているのか、好きなのかをただ想像することは可能だけど、把握することは不可能です。雑誌というのは、より本能的であり、想像しながら作るものだと思っています。出版してからだいぶ後にならないと、フィードバックは得られません。さらにそのフィードバックを取り入れ、変えて行くのにまた一年を費やす、まるで恐竜のようです。

シンプルな質問ですけど、ほとんどのビデオが3分ぐらいですね。その理由は何かありますか?

J:現代の人って言うのはポップカルチャーの洗礼を受けているから、3分ぐらいのミュージックビデオのフォーマットには馴染みがある。それが現在のスタンダードな動画の長さになっているので取り入れたのです。でもみんな週末はいつもより時間があるので、週末は7~8分ぐらいの動画をアップしています。逆に週の半ばは、1~2分の短い動画をアップしたりします。最近はシリーズ作品をリリースしていくことも始めました。

LVMHの中でウェブマガジンを1つのブランドとして構築するという、新しいメディアとブランドの取り組みのなかで最も注意を払った点は何ですか?

J:まず、名前がとっても大事でした。私が名前を考えたのですが、とても気に入っているし誇りに思っています。ただLVMHにとってはその名前の権利を買うのがとても難しい作業でした。なぜならLVMHとしては、世界各国で使える言葉にしなければならないというルールがあるので、イギリスで承諾を得られたとしても、日本や南アメリカやカナダなど、その他の国でも承諾をとる必要があったのです。気に入っていたので、NOWNESSという名前が使えなくなってしまうのではないか、とても心配していました。

 

名前はとても大事ですよね。

J:この行程がとても大変でした。でもすべて上手くいったので本当に嬉しいし、誇りに思っています。

そうですね、NOWNESSESとかじゃあしっくりこないですしね。

J:もう一回言ってみて(笑)!

 

NOWNESSES(笑)!NOWNESSがこのウェブサイトにとっては素晴らしくぴったりくる名前だと思います。NOWNESSというのはブランドという位置付けだと思うのですが、それがとてもユニークだと思います。それについて教えて頂けますか?

J:LVMHが私を選んでくれたことが、まず凄く誇らしいです。全力を尽くしてレベルの高い編集を心がけています。オリジナリティーがあって、人々の心を揺り動かすような素晴らしいストーリーを毎日作りたいと思っています。NOWNESSにとって、人々の心やハートを掴み、同時に動かすようなコンテンツを提供することが鍵だと思います。それに、次の革命に向けてありとあらゆる実験をしていますが、これに関してはまだ言えません。Apple社と同じやり方だけど、私たちのプロジェクトは自ら公式に発表するまで、一切の情報を公に漏らさないようにして進行させているのです。私たちが公式に発表したら、直ちに世界中の人々のデスクトップに私たちの配信するコンテンツが届くのです。世界中のファンが驚くのを想像するのが私の楽しみの1つです。ですので、今後も面白いコンテンツを企画しているけど、まだ言えないんです。今のデジタル世界では、簡単に人のアイデアを一瞬でコピーできるので、発表するまで秘密にすることが凄く大事なんです。Charlie Brownや私が雑誌を作り始めた頃は、誰も私たちがやっていることをコピーできなかった。もしコピーしようとしたら、1年~5年の年月がかかってしまいます。例えば紙媒体では、雑誌を読み、こんな風にやりたいなとプロジェクトを進めて、撮影をして編集してとかやっていると6ヶ月後に完成することになるでしょう。その時点で、人々が見た時に「あ!この雑誌は、6月に出版されたあの雑誌の真似だ」となるけど、でもウェブだとそれが1週間で出来てしまうのです。だから、秘密主義にしなければならないのです。Apple社と同じです、新しいi-phoneとね。

それは、新しいスタイルですね。

J:雑誌などの印刷物にとっては新しいけれど、デジタルの世界では新しいことではないです。この世界はとても、競争が激しいのです。

今秘密だと言っていたけれど、どんなことでもNOWNESSに反映されて進化していくことってあると思うんですね。挑戦したいこととかあれば教えてもらえますか?

J:宇宙で最初に出版する雑誌の編集長になりたいです。

それは凄いですね。Appleのように、そこにアップされて始めて皆が目にするという形で動いているとは思うのですが、新しいソーシャルメディアを牽引する存在になっていくであろうNOWNESSの今後の展望はありますか?

J:NOWNESSは、NOWNESSの中だけでも競争が起きています。なぜなら、他に比較できるようなメディアがないからです。私たち自身で毎日良くして行くこと、それは私たちの挑戦です。昨日作ったものより、今日良いものを作っていくということです。それに、私の野望としてはオキュラス・リフト(ヴァーチャル・リアリティー・ゲームを目的に開発されたヘッドセット)を使って何かしたいと思っています。バーチャル・リアリティーを使ったフィルムを作りたいと思っています。

それは凄いですね、誰が俳優としてキャスティング予定ですか?

J:秘密です。

勿論そうですよね。想像するに、イメージが浮き上がるのよね?

J:秘密だよ(笑)!

NOWNESSでは可能で、他のソーシャルメディアにできないプロジェクトには何があると思いますか?

J:今の質問に対する答えとして、NOWNESSから発信されたものというのはNOWNESSでしかリリースできないものであるということです。他のメディアは自分たちで作っていないコンテンツを記載したりするけれど、NOWNESSは全て自社コンテンツで構成されています。ここで見たことのあるストーリーというのは、他では見つけることは出来ません。私たちのプロジェクトの源は誰かの真似ではなくて私たちの土壌より産み出されたものであり、それを一番最初に見れる場所がNOWNESSです。そこから、皆がリツイートしたり、それについて書いたり、コピーしてどこかのリンクに貼ったりするのです。でも、必ず全てNOWNESSの元に還ってきます。これが、NOWNESSのDNAなのです。今となっては数千個のコンテンツが集まっているけれど、何をするにも必ず大事にしているのは、NOWNESSが手掛けることは誰かの真似では無く、全てオリジナルであるということです。

CINEMATIQUESのサイトを最近見ました。ショッピングサイトとしてはとても革新的ですね。

J:CINEMATIQUESは、僕らのパートナーで、彼らの技術を2回NOWNESSで使いました。

将来的にあなたは新しい技術者とのコラボレーションをしたいと考えていますか?

J:そうですね。僕らは常に新しいテクノロジーとの融合というのをはかりたいとおもっています。ただ、ときに最先端技術というのは目で見てもわからないことがあります。CINEMATIQUEとは二度映像を作りましたが、2回とも素晴らしい映像ができ、成功を収めました。彼らの技術は本当に素晴らしいです。私たちは、彼らの技術を試す一番最初の実験場になりたいのです。

コンテンツの話になりましたので、新しいプロジェクトに関して教えてもらえますか?

J:BEAUTY PROJECTですね。6本のフィルムが一つになっていて、女性と男性のディレクターにストーリーを作ってもらっているのですが、全ては“美と人の体”についてのストーリーになっています。既に2本はリリースされていて、あと4本リリースする予定です。このプロジェクトは、一ヶ月に1個のストーリーをアップしています。最近リリースされたのはSaam Farahmand(サーム・ファラマンド)というディレクターが作ったストーリーだったのですが、裸の美しい女性がいて、その女性の体に沿ってカメラが体を撮影していくのだけれど、少しずつ女性の体の毛が生えて行くというものになっています。このストーリーで何に焦点を当てているのかというと、不完全であることや体毛のこと、それにまつわる侮辱に関してのカルチャーなどに関してです。毛があることが良いとされているか否か、などですね。私はそれぞれの映像を通して、物議を醸し出していきたいと考えています。コミュニケーションや争論を人の体の一部分を通して起こしたいと考えたのです。私たちがどのようにして、この事象やそれに対する考えに接して生きているかというのを浮き彫りにしたかったのです。このビデオの他には、女性のディレクターによる様々な女性の体に関する映像があったりと、知的なものから面白いものまで、6つのビデオを通して新しい物語の伝え方する予定です。このストーリーを通して、色々な人がFacebookやTwitterなどあらゆるソーシャルメディアで協議するということが私たちのゴールなのです。そして、どのように人々が反応して議論しているかということを最終的にマッピングしてゆくことに興味があります。対話やコミュニケーションなどのそれらの情報がまた新たなコンテンツを作るうえで鍵となると思っています。

 

最後になりましたが、日本の文化において興味をもっていることはありますか?

J:全てです。日本のデザイナーからは目が離せないし、日本の食べ物は最高だし、日本は大好きです。日本のファッション、日本のデザインの全て大好きなんです。早く日本に行きたいと思っています。

TEXT AND INTERVIEW BY KAZUMI ASAMURA HAYASHI
PORTRAIT BY BRANTLEY GUTIERREZ
TRANSLATED BY RISA NAKAZAWA

All Images courtesy by NOWNESS