DUNE libartane

AS ABOVE, SO BELOW

AN INTERVIEW WITH DIGITAL GLOBE

現在地球を周っている人工衛星は活動しているものが約1,100機、活動を終了したものが約2,600機と言われている。地球の周りは案外混み合っていると思う人もいるだろうが、宇宙はあなたが想像できないぐらい広いらしいので、電車の乗降時のように衛星同士がぶつかる心配はない。とはいえ、その 数には本当に驚かされる。しかし現実の日常を顧みれば当然といえば当然で、天気、GPS、通信、放送、国防など、今や我々の生活は人工衛星によってコーディネートされていると言っても過言ではない。人工衛星という言葉が世間にではじめた冷戦開始当初は人類と宇宙との距離が遠く、多くの人はその重要性に気付いていなかったため、時代背景も相まってただのプロパガンダ的なものと見なされていたという。1957年にソ連が人類初の人工衛星『スプートニク1号』の打ち上げに成功したことで、人類と宇宙の距離がぐっと近づいたのだった。以降60年代より着手・推進されてきた人工衛星による地球観測は、偵察技術として発展してきた。その後1980年代後半から1990年代初頭にかけて、東西冷戦が終息していく流れの中で、米国政府が軍事技術として培ってきた偵察技術を民間利用していく方針を打ち出した。これが決定的な転換点となり、それまで10m~数百mのいわゆる低解像度の画像しか流通していなかった民間市場において、高解像度の衛星画像が台頭する時代が訪れた。
『AS ABOVE,SO BELOW』ではこれまで計7機の衛星を運用し、その高精度な画像コンテンツにより世界の高性能衛星画像マーケットをけん引するDigital Globe,Inc.(以下、デジタルグローブ)のANDREW STEELE氏へのインタビューと共に、同社の高性能画像を提供いただき、今号では人類の壮大な歩みである人工物を、次号では46億年の奇跡である地球の自然を特集する。神話のプロメテウスがなぜゼウスの命令に背きながらも、天地創造の力を持つ『神の焰』を未熟な存在である人類に渡したのか。この暗喩が意味することは一体何なのか。動物の中でなぜ人だけが自ら服を纏い、シンボルを作り、火を操り、働き続け、作り続け、そして壊し続けるのか。それは何に突き動かされているのか。長い間、“生と死”や“天国と地獄”はシンボルや 芸術のモチーフとなり、建造物建立の動機となった。結果として、人類の歴史はその両極端の衝突の記録となったのである。日々進化を続けるテクノロジーによって宇宙が毎日近づきながらも、自身は到達できないという現実。それによってもしかしたら現代人は宇宙に慣れてしまい、地球を見飽きてしまった のかもしれない。けれども、地球に刻まれたその痕跡と時間を“開かれた思考”と普段とは異なるアングルから見ることで、「我々はどこから来て、そしてど こへ行くのか」という問いを解くための鍵を手にできるかもしれない。大気圏外を周る全ての衛星の中でデジタルグローブの衛星だけが1ピクセル=30cmの画像を提供することができ、さらに彼らの衛星は1日あたりそれぞれ約300万km²以上の画像を収集する。そうしてデジタルグローブが世界最先端の人工衛星から観測・収集した画像は、15年以上の蓄積により地球の陸地面積の30倍以上にも達する。そしてその衛星の動きは休むことなく稼働し続け、今も日々増加している。まさしく神の行いである。上から見るということは本来上帝のみに許された特権であったはずだから、「芸術的」、「狂ってる」、「あいつん家だ」、「笑える」、「気持ち悪い」、「完璧、完璧」、「泣ける」、「やばい」など、あなたが感じたこと全てが正解である。本来ならば芸術全般におけるクリエーションが開かれた思考を人間に想起させるべきだが、究極まで高められた芸術は何故だか人の物欲しか刺激しなくなった。本企画は時代精神に囚われているそんなあなたの脳に刺激を与える、ただの知的な銀河探求である。あなた本来の“自由な発想”と“開かれた思考”を解放し、“宇宙からの視点”と いうこの一大スペクタルをぜひ楽しんでほしい。”上のものは下のものの如く、下のものは上のものの如し”

 

―御社の成り立ちについてお聞かせください。

 

ANDREW STEELE(以下A):1992年以前は、民間の会社が宇宙から高解像度画像を使用してビジネスすること自体が法律で禁じられていました。しかし軍事的に開発された多くのものがいずれプロダクトになって進化していくことから、アメリカ政府も規制緩和し、92年に“法的に宇宙から商用的にビジネスをしていい”という法律が成立しました。デジタルグローブ社の創立者であるウォルター・スコット氏が、今の前身であるアースウォッチ社を立ち上げたのが92年です。それ以前にウォルター・スコ ット氏はアメリカの政府が推し進めていた“スターウォーズ・プロジェクト”のメンバーで、政府の宇宙開発に関係する仕事をやっていました。しかし彼はスキーで事故に逢って両足を折ってしまい、自宅療養を迫られ、考え込んでしまいました。しかし一念発起し、療養していた自宅の地下室で同社を立ち上げる決心をしたのです。それから計画をたて始めたのですが、まず出資者を探さないといけない。でも衛星を一機 打ち上げるのはとてつもないお金がかかるんですよ。一機あたりに必要な予算はだいたい500億円です(笑)。さらに打ち上げ失敗もあるわけですから、新規では入りにくいビジネスなのです。500億円投資して戻ってこないかもしれないし、誰もやったことがない。軍事的には存在していたけど、民間としては前例がなかったためハードルはとても高かったはずです。「誰もやったことないことだからやろうじゃないか」というウォルター・スコット氏の革新的なスピリットで創立されたのです。けれどデジタルグローブの1回目、2回目の衛星は打ち上げに失敗したんです。

 

―いきなりポカしてしまったのですね。それはいつのことですか?

 

A:1997年と99年です。EARLY BIRDとQuickBird-1は失敗してしまいました。でも保険がかかっていたので何とかなりました(笑)。それで結局3機目となるQuickBird-2が2001年に初めての打ち上げに成功しました。その時のQuickBird-2は1ピクセル=60cmで画像化することができ、高解像度といわれる画像の1ピクセル=5m以下といわれているので、1ピクセル=60cmということはかなりの高解像度で当時から画像化することが出来ていたことになります。

 

―それが2001年に打ち上げた1機目なんですよね?

 

A:はい。でも実は民間初の衛星サービスは1999年に1ピクセル=81cmで画像化できるIKONOSという衛星の打ち上げが成功していました。当時は他の会社でしたが、後の2012年にその会社はデジタルグローブ社によって買収されました。今現在IKONOSは稼働していませんが、要は1999年~2001年ぐらいから1ピクセル=1m以下の民間への衛星サービスは始まっているのです。ただその当時はインターネットもそこまで普及していない時代でしたので、ウォルター氏は将来を見通す力を持っていたのでしょう。QuickBird-2は2001年~2014年まで稼働して、2007年にWorldView-1という衛星を、そして2009年にはWorldView-2という衛星を打ち上げました。だいたい2、3年おきには衛星を打ち上げていますね。フランスのAIRBUS社も衛星を保有していますが、アメリカ国内ではIKONOSを保有していたGeoEye社が唯一の競合で、一騎打ちでした。対抗企業があまり存在しないマーケットなので、GeoEye社を買収した時には1ピクセル=1m以下の画像を民間に提供するアメリカで唯一の会社となったわけです。それ以降は衛星が増えるにつれ、画像も増え、業績は拡大していきました。そして今現在のマーケットにおいて世界No.1シェアとなったのです。

 

―その2機とも現役なのですか?

 

A:IKONOSと2001年に打ち上げたQuickBird-2は2014年に任務を終えました。衛星は燃料が切れると動かなくなるのです。だから打ち上げる時に「こいつは10年ぐらいの任務だな」と燃料を積むのですが、10年の任務が終わると「お疲れ」ってなるんです(笑)。

 

―お疲れって、今でも周ってるんですか?

 

A:はい、周っています(笑)。IKONOSはだいたい25年ぐらいかけてだんだん大気圏に近づいて、最終的に大気圏に近づいたら燃え上がるようになっています。

 

―それは軌道的には何かとぶつかることはないのですか?

 

A:宇宙は我々の想像以上の広さなので、それは絶対にありえません。

 

―現在、宇宙で稼働しているDG社の衛星は何台ですか?

 

A:現在稼働している衛星は、先ほど話しましたWorldView-1、WorldView-2。それとWorldView-3、WorldView-4、GeoEye-1の計5機です。

 

―ちなみに一つの衛星の大きさはどのくらいなのですか?

 

A:大型バスと同じぐらいです。時速は27,000kmで、地球を周っています。だいたい東京から京都までなら、1分かからないぐらいで到達します。

 

―衛星の軌道はどこを周っているのですか?

 

A:私たちの衛星は主に北から南の極軌道を飛んでいます。そして衛星の軌道の至るところにハードディスクのようなグランドステーションというものがあり 、衛星がグランドステーションの近くへいく度に衛星から撮影したものをダウンロードし、衛星はメモリーを空けてそこからまた飛び出す。それを繰り返しながら衛星は大体1日に地球を16周まわります。私たちの衛星は地球全体を画像化して観測するという大きな目的があるので、衛星は常に太陽との位置関係が同じになる太陽同軌道を飛行しています。ですので衛星が飛行しているところは撮影する場所のローカルタイムで午前10時半〜午後2時と決まっています。

 

―衛星画像を依頼したらどういった行程を経て、最終的に商品として手元に届くのですか?

 

A:それは2種類に分けられます。WEBサイトから過去に撮影されたアーカイブから日にちと場所を選ぶ方法か、新規で撮影依頼する方法です。ただ新規は衛星を使うので、値段は高くなります。

 

―ちなみに新規で頼んだ場合、どのぐらいの日数がかかるのですか?

 

A:大まかにそれは2つの要素によって決まります。1つは、そのリクエストの地域にどれだけ雲が発生しているか。例えば赤道付近や熱帯雨林の周辺は雲が発生しやすく、対象エリアが雲に覆われていては撮影できません。ですから私たちは世界中の各エリアの年間雲量データを持っています。それともう1点は、他のクライアントのオーダーとの兼ね合いです。例えば多くのクライアントがリクエストするような人気の場所は、1日の衛星の軌道で全ての場所をカバーすることは不可能です。優先順位を選ばないといけない場合は依頼するプランとバジェットで優先度が変わってきます。衛星は1日に16周まわるので、毎日何を撮るのかという計画をコレクションプランニングというコンピュータープログラムによって指示するのです。そうして衛星は天気やクライアントの優先度など全てを考慮した上で、毎日その16周で出来る限り無駄なくカバーするために計算された指示のもと動いています。撮影戦略をコンピューターが算出し、出来る限り無駄なく衛星を稼動し続けているのです。

 

―基本的に真上からの画像が多いですが、他の角度から撮ることも可能なのですか?

 

A:真下しか撮影できない衛星もありますが、私たちの衛星はコントロール・モーメント・ジャイロと呼ばれる姿勢制御システムを搭載し、衛星を柔軟に稼働させより多くのデータを収集します。軌道の真下を0°とすると、左右45°まで対応することが可能です。それを先ほど話した通り、衛星の軌道から無駄なく撮影するためにコレクションプランニングによって撮影可能な角度にプログラムするのです。ただ真上からの画像で1ピクセル=50cmのものが、斜め45°から撮影すると距離が変わってくるので80cmになってしまうということがあるので、災害時などとにかく様々な角度からの情報が欲しいという状況以外には、基本的に30°以内をお勧めしています。

 

―プランによって値段が違うのはわかりましたが、もし購入するならどのくらいになりますか。

 

A:一概には言えません、各国のセールスもしくはパートナーにご確認ください( 笑 )。最小購入面積は原則25km²です。

 

―例えばどの程度まで見ることが可能なのですか?

 

A:野球のホームベースとかですかね。

 

―えっ、そんなに見えるんですか?

 

A:2015年以前はアメリカ政府によって解像度が1ピクセル=50cm未満の画像は規制対象でした。それが2015年に規制が緩和し、1ピクセル=25cm以上であれば大丈夫となりました。つまり1ピクセル=25cm以上であれ ば世界中のどこを撮っても問題はありません。ただ唯一特例となっているがイスラエルで、同国のエリアは1ピクセル=2mまでと定められています。それは軍事防衛的な理由や、アメリカとイスラエルの国交によるものです。私たちはアメリカの民間会社ですから、アメリカの法律に従います。

 

―情報の扱い方はナイーブな問題ですものね。

 

A:はい。ただし情報も全てが機密であれば、その情報は存在してないということになります。機密情報と公開情報、私たちのビジネスにとってこの2つがキーです。公開可能な情報があることで、私たちの画像が世界的に知られているのです。

 

―衛星画像は天候の影響を受けやすいように思いますが、いかがでしょうか?

 

A:先ほども話しましたが雲が最大の敵ですね。レーダーとは違って光学衛星なので、目と同じで雲に覆われている場所は見えません。

 

―その他に映像の妨げとなる障害はありますか?

 

A:大気圏の塵などがあります。しかし今現在、大気にあるものを取り除く大気補正と呼ばれる技術を開発しています。

 

―それはレンズには写っているけれど、画像から取り除くということですか?

 

A:はい、その通りです。通常であれば使えないような画像でも、それによってよりクリアな画像になるとい うことです。今その技術を開発しています。

 

―海の中はいかがでしょう?

 

A:透明度によりますが、新しいWorldView-2とWorldView-3なら水深30mぐらいまで撮影可能です。赤、青、緑の三つの原色で表現されるRGBを3バンドとすると、うちの衛星は8バンド、16バンドです。これらは光の波長に関する単位です。8バンドなら水深30mまで見ることが可能で、さらに近赤外線など目に見えないものも拾えます。

 

―実際に宇宙から自分の目で見るのと、衛星が撮影する画像とでは、どういった違いがある可能性がありますか?

 

A:宇宙に行ったことがないのでわかりませんが、想定されるのは目とレンズの違いですね。宇宙にあるカメラのレンズと地球の間に存在している塵やスモッグなどによって色が変わったりするので、実物とは違って見えることは当然あります。また日によっても、太陽の角度が違っても当然違って見えます。

 

―画像の精度以外にも、特筆すべき点はありますか?

 

A:GPSや星の位置などを確認して算出される位置精度も、うちの衛星は世界トップなんです。地上の測地座標や高さを求める際に使われる地上基準点と、うちの衛星によって捉える緯度・経度との誤差は、じつに3m~5mぐらいなのです。制御システムによってズレを補正すれば誤差は20~30cmまで縮めることができま す。他の衛星は20m~100mなどの誤差が生じます。多少の誤差が生じること自体は衛星においては当たり前ですが、3m程度の誤差であれば補正の必要なしにマッピングとして使える精度なのです。

 

―ずっとすごい話をしてますが、最も重要な技術革新はなんだったと思いますか?

 

A:それは先ほど話しました、色の表現が4バンドから8バンド、そして16バンドと成長したことです。それによって様々な場所を画像として表現することを可能としたのです。

 

―あなたたちのテクノロジーがきっかけで明らかになったことはありますか?

 

A:中央アジアのカザフスタンで発見された巨大な円や、十字、四角(画像[9])、さらに鉤十字まで様々な図形が盛り土によって描かれている謎の地上絵をNASAが2014年に発表しました。それは上空からでなければわからず、私たちの衛星写真によって世間が知ることになりました。ちなみに直接NASAにその画像を送ったのも僕でした(笑)。いつの時代のものであるかは研究チームによって開きがありますが、8000年前とも言われています。年代よりもさらに謎なのが、これらの地上絵が描かれた目的です。

 

―そうですよね、今みたいにヘリや飛行機、ましてやドローンなど存在していないはずの時代のものですし。

 

A:一説には太陽崇拝に使われた天体観測所ではないかと言われていますが、定かではありません。

 

―地球全体を画像化していますが、それをどう解析するのですか?

 

A:経験のある画像アナリストが何千~何万km²を解析して何かを探しても、何ヶ月もかかってしまいます。ですからクラウドソーシングを使い、インターネットで募集したボランティア何千人、何万人で共同作業して1、2日で終わらせています。例えばモンゴルの何千km²にもわたる広大な砂漠の画像をデータとして数100m²ずつのタイルに分け、その何千人に「この広大な砂漠に何かの文明の痕跡や誰かの墓のようなもの、人工的な何かが写っていたら教えて欲しい」というタスクとともに預けるのです。それ以外にも例えば災害時においては「破壊されている建物を探してください」とか。そういった解析の結果が全部戻ってきて、データとしてやっと使えるようになります。

 

―最終的には人間の眼に頼るのですね。

 

A:機械がやることももちろんありますが、人間が最終的にチェックします。人間と機械のダブルチェックによって、データの品質を保てるのです。例えばモンゴルのプロジェクトでは、クラウドソーシングに「チンギスハーンの墓や何か人工的な痕跡、もしくは何か怪しい場所があったら教えて」と依頼したんです。その解析によって10人が「ここが怪しい」と指摘した場合は、現地に調査にいくとか。5人以下のアグリーメントは破棄するとか。こうして自然にクオリティチェックができるのです。

 

―軍事的なこともクラウドソーシングに依頼するのですか?

 

A:できることは解析を依頼しています。軍事防衛なので、先ほど話したように機密事項に関しては特別な人にしか扱えないものも勿論あります。

 

―宇宙という領域を共有するNASAとは、一体どういった関係なのですか?

 

A : 国際的な宇宙機関であるNASAも様々な衛星を持っているので、様々な情報を共有しています。例えば隕石が地球もしくはどこかの衛星に近づく恐れがあるときには、警告を発してくれます。ちなみにNASAはランドサットという1ピクセル=15mで撮影できる光学衛星をすでに1972年に打ち上げています。さらにNASAのランドサットの画像は無料なのです。研究分野とかやりたいことによって高解像度が必要ないという場合には、このランドサットの画像で十分です。だからNASAが打ち上げた衛星ランドサットは現在の光学衛星の祖父のような存在に当たるのです。ですから当然NASAは大事なパートナーであり、衛星ビジネスにおいて重要なパイオニアです。むしろ私たちはNASAよりはNOAA(アメリカ海洋大気庁)との関わりが大きいです。NOAAは気象庁のような機関で、彼らがアメリカにおいて宇宙からの民間ビジネスへの認可を下しています。NOAAからライセンスをもらえなければ、アメリカにおいては宇宙からビジネスはできないのです。

 

―既に様々な分野で活躍されています。言える範囲でかまわないので、今後のビジネス展開と可能性をお聞かせください。

 

A:情報が増えるにつれ、いろいろな解析方法が増え、それによって様々な解決方法が生まれてきます。ですから今後私たちが大きく展開するのはビッグデータです。業界によっては、ビッグデータも違った意味合いになってきます。例えば私たちは一枚20GBもする画像を毎日600枚以上撮るわけです。さらにそれを1999年から続けています。だから本社があるデンバーのデータセンターには大きい冷蔵庫ぐらいのハードドライブが何十個も並んでいて、現在は100ペタバイト以上もの容量があります。さっきの質問で“どうやって画像を依頼するのか”という質問がありました。画像は通常二種類の方法によってクライアントに納品されます。それは画像データをいれたハードディスクを送るか、FTP(File Transfer Protocol)でリンクを送ってダウンロードするかの2通りです。もしその画像に写っている情報だけが必要で大きい容量の画像が必要ない場合に、もしインターネットが遅ければ画像データが大きいので一日中ダウンロードしても終わらないことがあるかもしれないし、そもそも必要ではない大きいデータなどの管理は面倒じゃないですか。AmazonのクラウドサービスAWSと提携して、弊社が持っている画像は全部クラウド上にアップしました。画像が欲しい人はそこから画像をダウンロードできるのですが、現在のビジネスでは画像を解析してデータだけを欲しい人がいるんです。それこそが弊社が捉えているビッグデータで、そのビッグデータ解析にここ3、4年投資しています。例えば「このブロックに家が何軒ある」とか「この駐車場に車が何台止まっている」とか。画として欲しい人もいますが、情報だけが欲しい人のほうが多い。ピクセルの精度よりも、エクセルのデータが欲しい人のほうが多いのです。「先週と今週で変わったことを教えてください」というように。そういうクライアントには一枚20GBもあるような画像よりも、クライアントが必要としている解析済みのデータのが有用なのです。GBDX(Geospatial Big Data)と呼ばれているのですが、これはすでに運用されています。

 

―すごいですね、一体どんな人たちが同僚なのですか?

 

A:彼らは笑っちゃうぐらい賢いです。私の同僚の一人はロケット科学者です。ギャグみたいですよね。でも彼らはクールなオタクです。

 

―ちなみに子供の頃から宇宙が好きだったのですか?

 

A:宇宙というより、地図とか地理学が好きでした。だから大学も地理学が強いところを選びました。そこでハイテクノロジー地理学の存在を知って、衛星画像の世界に入りました。

 

―最後の質問です。地球平面説を唱える 人がいますが、地球は球体だと思いますか?

 

A:いいえ、地球は球体ではないですね。地球はジオイドですよ(笑)。

TEXT AND INTERVIEW BY TSUNEHARU MAMIYA
COORDINATED BY TY DEMURA
文・インタビュー 間宮恒治
コーディネート 出村太